第02回 REAPERの画面構成を理解しよう – 最初の操作

前回の第01回では、REAPERのインストールと基本的な準備について解説しました。これで、いよいよREAPERを起動して、その画面に触れる準備ができました。

第02回となる今回は、REAPERの主要な画面構成を知り、基本的な操作方法を学ぶことが目的です。初めてREAPERを起動したときに、どこに何があるのか、どのように操作すれば良いのかを理解することで、これからの作業がスムーズに進むようになります。

REAPERのメインウィンドウを知る

REAPERを起動すると、以下のようなメインウィンドウが表示されます(初回起動時や設定によって表示は少し異なる場合があります)。

このメインウィンドウは、音楽制作の司令塔となる場所です。たくさんの要素が表示されていますが、まずは特に重要な部分の名前と役割を覚えましょう。

  1. メインツールバー (Main Toolbar):画面の上部に位置し、新規プロジェクト作成、開く、保存、元に戻す/やり直し、グリッド設定など、頻繁に使用するコマンドのアイコンが並んでいます。
  2. ルーラー/タイムライン (Ruler/Timeline):画面上部、ツールバーのすぐ下にあります。曲の時間軸を表しており、拍や小節、秒などで表示を切り替えられます。曲の進行に合わせてアイテム(オーディオやMIDIデータ)を配置したり、再生位置を指定したりする際に使用します。
  3. トランスポートバー (Transport Bar):再生、停止、録音、早送り、巻き戻し、ループ再生などの再生・録音に関するコントロールが集まっています。BPM(テンポ)や拍子の設定、メトロノームのオン/オフなどもここで行います。
  4. トラックコントロールパネル (TCP: Track Control Panel):メインウィンドウの左側に表示されることが多い部分です。作成した各トラックの名前、ボリューム、パン(音の左右の位置)、ミュート、ソロ、録音待機などの基本的なコントロールが集まっています。後述するミキサーとは異なり、各トラックの操作を一覧で行うのに便利です。
  5. 編集エリア (Arrange View):メインウィンドウの大部分を占める広大なエリアです。ここにオーディオアイテムやMIDIアイテムが配置され、編集作業を行います。時間軸に沿ってトラックが縦に並び、アイテムが横に配置されるイメージです。
  6. ミキサーコントロールパネル (MCP: Mixer Control Panel):画面の下部に表示されることが多い部分です。トラックコントロールパネルと同様に各トラックのボリュームやパンなどを操作できますが、より詳細なレベルメーターやエフェクトのインサート状況などが確認でき、複数のトラックのバランスを視覚的に調整するのに適しています。

主要なウィンドウの表示/非表示

REAPERは非常にカスタマイズ性が高く、これらの主要なウィンドウも必要に応じて表示したり非表示にしたりできます。作業スペースを広く使いたいときなどに便利です。

  • ミキサー (Mixer):Ctrl + M (Windows) または Command + M (Mac) のショートカットキーで表示/非表示を切り替えられます。
  • その他のウィンドウについても、メニューバーの View から表示/非表示を選択できます。

作業内容に応じて、最適な画面レイアウトを見つけていくのもREAPERを使いこなす上で重要なポイントです。

REAPERでの基本的な操作

REAPERでの操作は、主に以下の方法で行います。

  • マウスによる操作:アイテムの選択、ドラッグ&ドロップによる移動やコピー、各種スライダーやノブの調整など、直感的な操作が中心となります。
  • メニューバー:画面上部のメニュー(File, Edit, View, Insertなど)からコマンドを選択して実行します。
  • ツールボタン:メインツールバーなどに配置されたアイコンをクリックしてコマンドを実行します。
  • ショートカットキー:キーボードの特定のキーを押すことで、素早くコマンドを実行できます。REAPERには膨大な数のショートカットキーが用意されており、効率的な作業にはショートカットキーの活用が不可欠です。
  • 右クリックメニュー (Context Menu):特定のアイテムやウィンドウ上で右クリックすると、その状況に応じたよく使うコマンドのリストが表示されます。

これらの操作方法を組み合わせて、REAPERを思い通りに動かしていきます。最初はマウス操作とメニューの選択から始め、慣れてきたらよく使う操作のショートカットキーを覚えていくのがおすすめです。

新しいプロジェクトを作成して保存する

それでは実際に、新しいプロジェクトを作成し、保存してみましょう。

  1. REAPERを起動します。
  2. メインツールバーの左端にある新規プロジェクト作成アイコンをクリックするか、メニューバーから File -> New project を選択します。
  3. まっさらな状態のプロジェクトが開かれます。
  4. 作業内容を保存します。メニューバーから File -> Save project as… を選択します。
  5. プロジェクトを保存する場所とファイル名を指定します。例えば、「MyMetalSong_ver1」のように分かりやすい名前をつけましょう。
  6. 保存する際に、「Create subdirectory for project」にチェックを入れておくと、プロジェクトファイル (.rpp) と関連するオーディオファイルなどが一つのフォルダにまとめて保存されるため、ファイルの管理がしやすくなります。
  7. 「保存」をクリックします。

これで、あなたの最初のREAPERプロジェクトが作成され、保存されました。今後は、作業の区切りごとにこまめに File -> Save project (Ctrl+S または Command+S) で上書き保存することを忘れないようにしましょう。

まとめ

今回は、REAPERのメインウィンドウの主要な部分の名前と役割、基本的な操作方法、そして新しいプロジェクトの作成と保存方法を学びました。これでREAPERの画面に慣れ、基本的なファイル管理ができるようになったはずです。

次回の第03回では、いよいよ「音を出すための設定」に進みます。音楽制作に必須となるオーディオデバイスとMIDIデバイスの設定方法について詳しく解説します。

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