現代マーケティング&セールス要論
第07回:案件の成約率を最大化する – バリュー・セリングと評価フレームワークMEDDPICC
前回の記事では、顧客との対話において主導権を握り、新たな視点を提供する「チャレンジャー・セールスモデル」を解説した。これは、複雑な商談において顧客の信頼を勝ち取るための強力なアプローチである。しかし、いかに優れた対話アプローチを用いたとしても、全ての商談が成約に至るわけではない。限られた営業
第06回:脱・御用聞き – 課題解決を主導するチャレンジャー・セールスモデル
前回までで、現代マーケティングの戦略と理論について論じてきた。緻密なマーケティング活動は、自社のプロダクトやサービスに関心を持つ、質の高い見込み客を創出する。しかし、特に高額で複雑なBtoB(法人向け)商材においては、顧客が最終的な購入決定を下すまでには、人間による深い対話、すなわち「セールス」のプ
第05回:データと共感の融合 – マーケ-ティング5.0とパーパス・ドリブン戦略
前回の記事では、STP分析と4E理論という、マーケティング戦略を構築するための普遍的な「設計図」を解説した。これらは戦略の骨格を定める上で極めて重要である。しかし、現代のマーケティングを論じる上では、この骨格に二つの強力な要素、すなわち「先進テクノロジー」と「社会的な価値観の変化」を組み込んで考える
第04回:マーケティング戦略の設計図 – STP分析と4E理論
これまでの連載で、マーケティングとセールスの基本的な役割と、両者が連携する構造を定義した。しかし、これらの機能を効果的に実行するためには、場当たり的な活動の積み重ねではなく、一貫した論理に基づく「戦略」が不可欠である。では、その戦略はどのようにして構築されるのか。本稿では、あらゆるマーケティ
第03回:セールスとは何か?- マーケティングの成果を「成約」に変える最終プロセス
前回の記事では、マーケティングが市場を理解し、顧客を惹きつけるための「設計図」であることを定義した。この緻密な設計に基づき、プロダクトの価値を理解し、興味を抱いた潜在的な顧客、すなわち「見込み客」が創出される。しかし、その機会はどのようにして具体的な売上に転換されるのか。ここで登場するのが、
第02回:マーケティングとは何か?- 顧客を創造し、惹きつけるための設計図
前回の記事では、優れたプロダクトが必ずしも市場で成功するとは限らず、その背景には価値の「創造」と「伝達」との間に溝が存在することを論じた。今回は、その溝を埋めるための価値伝達プロセスの根幹をなす「マーケティング」とは何か、その本質と構造を定義していく。広告宣伝だけがマーケティングではない「マ
第01回:「良いプロダクトを作れば売れる」という幻想
情熱と時間を注ぎ込み、優れたプロダクトを開発する。それは技術者や起業家にとって、最も創造的でやりがいのある活動の一つである。しかし、その多くが市場で成功を収めることなく姿を消していくという厳しい現実がある。「プロダクト・マーケット・フィットの壁」とも呼ばれるこの現象は、プロダクトの品質や機能の優劣だ