📕「権力」を握る人の法則|ジェフリー・フェファー

この本を読んだのは確か2014年の1月頃だったかと思う。そのころ会社の事業再建を進めるプロジェクトの都合、私は本社から札幌のグループ会社に出向していた。札幌のグループ会社からすれば本社から来た私はヨソモノ。その状況下でどうやって組織を動かせるのか、そのヒントを得ようと読んだ本が本書だった。

本書はスタンフォード大学ビジネススクールで教鞭を執る組織行動学者が、権力についての研究成果について書いたものである。経営学や組織心理学の理論も使いながら、ビジネスにおいて、権力について能力や実績を持つこと以上に意識すべきことであると説きます。

情報の収集と分析、人間関係の構築、ネットワーキングなど、具体的な権力を高めるためのスキルや行動については多数の事例が示される。後半では権力のダークサイドにも触れており、権力に溺れる可能性やその影響など、あらゆる面から権力を分析している。

私は本書を読んで、自身がいままでいかに権力という概念を卑しい目で捉え、真剣に向き合って来なかったのかという事実に気付かされた。確かに権力を得ることそのものを目的とするのは強欲である気がする。しかし現実社会で達成すべき目標の手段として、効果的に影響を行使するために、また別の権力からの自衛のために、権力を高めるスキルについて知ることは極めて重要である。

具体的なノウハウが多く掲載されているため、自分のケースに照らし合わせる意味でも大変に参考になった。いろいろな判断や実行の局面で、自分の行動を確かめるために何度も読み返すと、そのたびにまた新しい気付きが得られる。

社会では現実を受け止め直視しなければ進められないことがある。自分の意志を貫き挑戦し続ける意思がある限り、本書を読むことで権力を最大限に活用し成功するためのヒントや思考のきっかけを得ることができる。

本書を読んで以降、私はさらに権力や独裁者についての知見をさらに深めるようになった。

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