第01回 ようこそREAPERの世界へ!- 準備編

「曲を作ってみたいけど、何から始めれば良いか分からない…」「REAPERって難しそう…」

そんな全くのDTM初心者の方が、REAPERを使ってゼロから楽曲制作を楽しめるようになるための連載ブログ講座へようこそ! この講座では、メタル系のインスト曲制作を実例に進めますが、REAPERの基本的な機能や考え方をしっかり学ぶことで、どんなジャンルの音楽制作にも応用できる知識とスキルを身につけることを目指します。

講座を通して、ドラム、ベース、バッキングギターの打ち込み、そしてリードギターのレコーディングを行い、最終的に1曲を完成させましょう!

DTMとは何か?REAPERが担う役割

まず、DTMとは「デスクトップミュージック」の略称です。パソコンを使って音楽を作ることを指します。昔は高価な機材が必要でしたが、今ではパソコン1台といくつかのソフトウェア、そしてオーディオインターフェース(後ほど解説します)があれば、プロ顔負けの音楽制作が可能になりました。

REAPERは、そのDTMにおいて中心的な役割を果たす「DAW」(Digital Audio Workstation:デジタルオーディオワークステーション)と呼ばれるソフトウェアの一つです。DAWは、録音、編集、ミキシング、マスタリングといった楽曲制作に必要なあらゆる機能を統合した、いわば「音楽制作のための秘密基地」です。

REAPERは、その中でも特に

  • 高機能かつ柔軟:プロの現場でも使われるほどのパワフルな機能を持ちながら、ユーザーの好みに合わせて細かくカスタマイズできます。
  • 比較的安価:他のDAWと比較して非常に手頃な価格で提供されています。
  • 動作が軽い:高機能でありながら、比較的低いスペックのパソコンでも快適に動作すると言われています。

といった特徴を持ち、世界中のアーティストやエンジニアに愛用されています。

REAPERのダウンロードとインストール

それでは、REAPERをあなたのパソコンにインストールしましょう。REAPERは以下の公式サイトからダウンロードできます。

REAPER | Audio Production Without Limits

サイトにアクセスしたら「Download REAPER」というボタンをクリックしてください。お使いのOS(WindowsまたはMacOS)に合わせて、最新版のインストーラーをダウンロードします。

Windowsへのインストール

  1. ダウンロードした実行ファイル(reaperX.XX_install.exe のようなファイル名)をダブルクリックして実行します。
  2. 使用許諾契約書が表示されるので、内容を確認し同意します。「I agree」をクリック。
  3. インストールの種類を選択します。通常は「Portable install」ではない方(通常のインストール)を選びます。
  4. インストールコンポーネントを選択します。通常はデフォルトのままで問題ありませんが、「ReaRoute Standalone (ASIO, WaveOut)」は他のソフトウェアとの連携に使うことがあるため、チェックを入れておくのがおすすめです。
  5. インストール先を指定します。特に理由がなければデフォルトのままで構いません。「Browse…」で変更も可能です。
  6. 「Install」をクリックするとインストールが開始されます。
  7. インストールが完了したら、「Close」をクリックしてインストーラーを終了します。

MacOSへのインストール

  1. ダウンロードしたdmgファイル(reaperX.XX_x86_64.dmg のようなファイル名)をダブルクリックして開きます。
  2. ディスクイメージが開かれるので、中に含まれるREAPERアプリケーションアイコンをApplications(アプリケーション)フォルダにドラッグ&ドロップします。
  3. これでインストールは完了です。ApplicationsフォルダからREAPERを起動できます。

REAPERのライセンス形態

REAPERは商用利用の場合、ライセンスの購入が必要になりますが、非常に良心的な価格設定になっています。

  • Discounted license:営利目的で使用し、総収入が年間20,000 USドル以下の場合、または非営利目的で使用する場合に適用される割引ライセンス。
  • Commercial license:上記に当てはまらない場合に適用される通常ライセンス。

いずれのライセンスも、機能に違いはありません。まずは評価版としてフル機能を試用することができますので、この講座を進めながらじっくり検討してみてください。

REAPERに関する公式リソース

REAPERはユーザーコミュニティが非常に活発で、公式からも多くの情報が提供されています。困ったときやさらに深く学びたいときに役立つリソースを紹介します。

  • User Guide:REAPERの全ての機能について詳細に解説されたユーザーマニュアルです。膨大な情報量ですが、何か操作に迷ったときにリファレンスとして非常に役立ちます。
  • REAPER Website:最新情報の確認やダウンロードはこちらから。
  • REAPER Forums:世界中のREAPERユーザーが集まる公式フォーラムです。質問したり、他のユーザーのディスカッションを見たりすることで多くの情報が得られます。
  • REAPER Stash:REAPERの設定や、便利なスクリプト、プラグイン、トラックテンプレートなどが共有されている場所です。

この講座でも、これらのリソースから得られる情報を交えながら解説を進めていきます。

REAPERが使用する主なファイルタイプ

REAPERで楽曲制作を行うと、いくつかの種類のファイルが生成されます。

  • .RPPファイル:REAPERのプロジェクトファイルです。これまでにどのようなトラックを作成し、どのようなオーディオやMIDIデータが配置され、どのような設定がされているか、といったプロジェクト全体の情報が保存されています。
  • .RPP-bakファイル:プロジェクトファイルのバックアップファイルです。予期せぬクラッシュなどがあった場合に、直前の状態に戻すために自動的に作成されます。

REAPERには自動バックアップ機能もありますが、手動での保存癖をつけておくことが、万が一のデータ消失を防ぐ上で最も重要です。

まとめ

今回は、DTMとREAPERの基本的な役割、そしてREAPERのインストール方法と最初の準備について解説しました。REAPERを使うための土台はこれで整いました。

次回の第2回では、実際にREAPERを起動して、その画面構成と基本的な操作方法について詳しく見ていきましょう。

関連記事